2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧
今日も冴えない一日だった。 正確には、今日はまだ終わっていない。ただ、今日の分の仕事が終わったというだけだ。とはいえ、今日の残り数時間にとてつもなく素晴らしいことが起きて、冴えない一日がチャラになる、というようなことを考えられるほど強いメン…
「たいへんだ、花澤香菜がショートカットをやめるらしいよ」という娘の報告に対して、「花澤香菜ってショートカットなんだっけ」と返答した瞬間、彼女の中から、何かが落ちてくるような音が聞こえてきた。高く投げ上げたボールが落ちてくるときに付けられる…
そこそこ元気に生きているというだけでお祝いされる誕生日というものは、日ごろお祝いされることに縁のない僕のような者には大変希少性の高いありがたいものなのである。 仮に、今日という日が自分の誕生日でなかったとしても、近しい者が誕生日だったりする…
新しい筆記用具を手に入れると、それだけで、ほとんど条件反射的に、気持ちがうきうきする。キャップを外したりボタンをノックしたりしてペン先を出し、そのへんの紙の上をさらさらと走らせる。描くものは意味のない線だったり、たった今まで聴いていた歌の…
いわゆるママチャリと呼ばれるタイプの自転車と一緒に、彼女はぽつんと立っていた。 右手でハンドルを握り、腰のあたりに車体を寄りかからせている。街灯の明かりの下で、左手に持った紙を見ながらあたりをおどおどと見渡しているように見える。 そこはなん…
いつからか、外でお酒を飲むと視界が暗くなったり音が聞こえにくくなるようになった。 自宅で飲んでいるときや休日の外飲みではそういうことは起きず、仕事の後の飲み会でたまに起きる程度のことなので、日頃はすっかり忘れている。その時になって、「あ、そ…
夏休みが終わって一週間と少し。 「なんとなくそんな気がする」とぼんやり思っていたことが確信に変わった。 会社に来るとやせる。 これがいいことなのか悪いことなのか即座に判断はできないが、本当のことである。毎日ほぼほぼ座っているだけなのに、とても…
ここ数週間ほど、毎日少しづつちびちびと楽しんでいる物語で、登場人物が記憶喪失になった。 それはそれで心配な事件ではあるのだが、ふと考えてみると、小説や映画の中でちょいちょい……とはいわないまでも、わりとよく登場し、そのわりには身近なところで見…
たとえば、朝の通勤電車で、座席に座っていたとする。横長の、いわゆるロング・シートというやつだ。この時の、ひとりが座るために必要となる標準的な幅を1.0としよう。 僕の右隣には、幅を1.3ほど確保して座っているおじさんがいる。だからといって身体が特…
こういうのを「パワー・ワード」というのだろうか。 ここ数週間で触れたいくつかの言葉の中で、もっとも自分にしっくりくるのがこれだ。 僕は思春期のころから(無意識のうちに)これについて忠誠を誓っているのだが、いつからか、 「バカバカしさにかけては…
夕方からどしゃ降りの雨が降り、ゴロゴロとカミナリも鳴った。 カミナリは苦手だ。今日みたいな、お腹に響くような轟音を聞くと、僕の中の奥の方にある生き物の基本的な部分ががくがくと震え出すような気がする。 傘も持たずに外出していた娘が、パーフェク…
こんなことはめったにないことだと思うのだけれど、今日、知らない女の人が泣いているのを2回も見かけてしまった。 ひとりは会社の休憩室でたまたまとなりに座った人で、電話をしている最中に泣き出してしまった。外国の言葉で話していたので、会話の内容が…
くるりが『ワールズエンド・スーパーノヴァ』の演奏をはじめた時。 電気グルーヴのステージから『Fallin' Down』のイントロが聴こえてきた時。 のんの口から、『タイムマシンにおねがい』の歌詞がこぼれ出た時。 背筋をぞくぞくとするような電流が流れ、僕は…
「塩ミルクチョコ」と、この時点で混乱しそうな味なのに、なおかつこれがクロワッサンなのである。つまり、「塩ミルクチョコクロワッサン」。 会社からの帰り道、ふと見かけたポスターにこの名前を発見したのである。 それはもう、しょっぱくて甘くて香ばし…
さえない中年男子でも、 「はじめて買った洗顔フォーム、今日から使おうかな」 というようなことを楽しみに帰宅してもいいと思う。 (たとえそれが、スーパーで買った300円くらいのやつでも)
かみさま。 この間、小さなお願いをさせていただいた、小さな国に住む小さな人間です。 かみさま。 ありがとうございました。 かみさまのおかげで、週末、僕は雨に降られることなく、2日連続ライブを楽しむことができました。両日ともに、まさに夏、という…
一応、探してみたんだけど、ハピネスさんを見つけることはできなさそうだ。 ……暑い。 内臓が煮えているのではないかというくらい体が熱い。面白いくらい汗が出てくる。 汗とともに体重が減っていく実感がある。これはもう、確実にやせたと思う。 帰宅してビ…
名も知らぬその人のことを、僕は心の中で「ハピネスさん」と呼んでいた。 全体的に大柄で、(ご本人が喜ぶかどうかわからないが)動物に例えると熊、という感じの男性だ。年齢はたしか7つくらい下だったと思う。まあ立派なおっさんだ。 ハピネスさんに会っ…
かくして、勇者の生まれ変わりこと「よでる」の冒険は始まったのであった。……正確には先週の土曜日から。 とはいえ、週末はたまたま用事があり、平日は(勇者であるにも関わらず)会社に行ったりしなくてはならないので、一日の平均勇者タイムは今のところだ…
かみさま。 僕は、地球にある小さな国で生きている人間です。 これといって取り柄のない人間ですが、毎日、まじめにコツコツと働いています。僕の思う限り、かみさまが「こら」というような悪いこともしていません。 ……ごめんなさいかみさま。 少しだけ見栄…