CITRON.

のん気で内気で移り気で。

「27」。

明け方、足がつって目が覚める。
まずは左足、続いて右足が徐々に、じわじわと、しかし着実につっていき、僕としては確定された未来としての痛みをただ待つしかない。足がつることで腹立たしいことは、痛みそのものよりもこの「なすすべがない」感じなのである。
とはいえ、何もしないのも工夫がないので、何か別のことを考えることにする。このまま「来るぞ来るぞ痛いの来るぞ」と身構えているより、他のことを考えている最中に「あ、来た? 痛いの」というような、他人行儀な感じで迎えた方が、痛みをごまかしやすいような気がしたのだ。もちろん医学的根拠はない。

そういえば、今日は27日。「27」という数字のカタチは、足がつった僕の体の有り様に似ているような気がする。「orz」ががっくりとした人のカタチを表すなら、「27」は足がつっている僕のカタチだ。

……いや、いくらなんでも無理がある。
「27」はあくまで二十七で、足がつっているおっさんのカタチとはぜんぜん似ていない。むしろ、一瞬でも「似てるかも」と思った自分が心配だ。
そもそも僕にはそういうところがあり……

いたいいたいいたい。
いたいいたいいたい。