CITRON.

のん気で内気で移り気で。

はしゃぎすぎてる、夏の子供さ。

先日無事に抽選を突破した夏フェスのチケットが、今朝の10時から引き取りにいけるということで、いそいそとコンビニに向かう。
梅雨もしっかりと明けてしまった東京の空はもうすっかり夏のそれだ。
午前中だというのにとりあえず暑い。徒歩数分のコンビニに向かうだけなのに、Tシャツが汗でしっとりする。ちなみに今日着ているTシャツは、そのデザインを家族に大爆笑されたもので、こういう「センスが良すぎて一般人にはその魅力が伝わりにくい」Tシャツのことを、個人的には「ハイセンスTシャツ」と呼んでいる。

受け取ったチケットには、座席番号が印刷されている。
このフェスは、全席指定なのだ。芝生の空スペースにレジャーシートを敷いて、あぐらで見るフェスの雰囲気は独特の魅力があるが、おひとり様で参加する場合、指定席が確保されているというのはかなり魅力的ではある。
いい席でありますように。

本当なら、池袋の図書館で予約していた本を回収するつもりだったのだが、少し前から人身事故で電車が止まっている。このまま大人しく自宅に直帰して、今日は本を読んで過ごすことにする。

この暑さと、フェスの出演者に真心ブラザーズがいるという事前情報が頭の中で結びつき、コンビニ帰りの鼻歌は、当然のように『サマーヌード』になる。

「僕ら今、はしゃぎすぎてる、夏の子供さ」

とか、

「僕はただ、君とふたりで通り過ぎる、そのすべてを見届けよう。この目のフィルムに焼こう」

とか、小さく口ずさみつつ歩く。僕は歌を歌う性能が低いので、出せない音階のところになると突然「スー」というほぼ無音が口からアウトプットされたりする。ヴォーカリストとしての僕は椿鬼奴系といっていい。

帰宅後は、もっぱら小説を読んで過ごす。
今読んでいる物語は、中央アメリカを舞台とした冒険小説らしい。今のところのキーワードは「マヤ文明」と「軍事クーデター」だ。
これは人から薦められた物語で、読み始めるまでその内容はまったく知らなかった。読み始めてしばらくは、「家族というもののもろさ、はかなさ」みたいなテーマの物語かと思っていたのだが、(とはいえそれは物語の隠しテーマになっていくのだろうけど)今時点では冒険物語になっている。内容をまったくしらない物語を読む、ということは、ある意味、とても規模は小さいが、それ自体が冒険のようなものだ。

そういえば、今日は(僕の誕生月である)6月最後の週末だ。
北は北海道、南は沖縄まで、はしゃいでいる人たちがたくさんいるのだろう。ももいろクローバーZの名曲『ももクロのニッポン万歳!』で、美味いものが多すぎで「ここは天国か」と歌われた北海道で、目の前にならぶ美味そうなものを見ながらはしゃいでいる人たちもいるだろうし、沖縄なんてもう、「おきなわ」という音を口にしただけで気持ちがはしゃいでくる。……いや、僕の中の沖縄像が幼稚すぎるという話は置いておいて(台風の影響があまりありませんように)。

「僕ら今、はしゃぎすぎてる、夏の子供さ」

東京の夏空の下、扇風機の風を感じながら、僕は僕ではしゃいでいる。ただそれは、僕の頭の中で行われてることで、傍目には地味に文庫本を読んでいるようにしか見えないかもしれない。

【今日の参考文献】
真心ブラザーズ『サマーヌード』
はるか昔、90年代半ばの歌。メンバーが子供のように幼く見えるとか、デビュー前のPUFFYが出演しているとか、ある年齢層の人にはそれなりに見どころの多いビデオになっているのだが、初見の人にはテンポが遅いしそんなに歌が上手いわけでもないし、特にひっかかるところのない曲になってしまっているのかもしれない。
でも、個人的には、夏の名曲だと思っている。 当時の色々な思い出とシンクロしている部分があるから、余計にそう思ってしまうのかもしれないけれど。

真心ブラザーズ 『サマーヌード』 - YouTube