CITRON.

のん気で内気で移り気で。

ポンコツにはまだはやい(はず)。

正式な医学用語なのかどうか知らないけれど、夕方老眼、週末老眼という言葉があり、その言葉の意味するところから考えると、今日の帰宅時あたりは目の疲れがひどくなりポンコツになるのは致し方ないところだ。

ただ、とはいえまだ木曜だということを考えると今日のポンコツぶりはひどい。これはおそらく、病院で出してもらっている目薬を点眼し忘れたからだろう。
頭や体の状態は通常の木曜日相当なのだが、視界がそれ以上にポンコツだ。そういう事態になると脳の演算機能の大半が視界の補正に充てられてしまうからか、その他の脳の働きから集中力が欠けていく。そのせいで、ほとんど同じコースで帰宅しているにも関わらず想定外のところを歩いてしまったり、自動改札に定期をタッチし損ねたり、忘れものが多くなったりした。

そういうわけで、今日はコーヒー豆とプレシェーブ・ローションと会社用の歯ブラシを買い忘れ、買い替えを考えている会社用の水筒の購入候補を検討するためにロフトやら東急ハンズに行くのを忘れてしまった。

こういうところに文章を書くことを趣味にしていると、自分のポンコツぶりもある程度はネタになるので、助かった……とまではいわないものの「まあこれはこれで」というようなあきらめ方ができる。
むかし、ある少女マンガで「転んでも、タダでは起きぬ私小説」という言葉を読んだことがあるのだが、実に的を得ていると思う。

忘れてしまったことがこれだけあるのだから、気付いていないだけでもっと他にもなにかあるのではないか。
たとえば、一等1500万円が当たっているにも関わらず換金するのを忘れている宝くじを持っていたとか、「そこを歩いている女の子がなぜか全員ミニスカート」という少し風の強い通りが帰宅途中にあることを発見したとか。
……ふとそういうようなことを思いつき、しばし頭をひねってみたのだが、そういう忘れ物はなかった。
そういう方向の忘れ物はなかなかないものなのだ。