CITRON.

のん気で内気で移り気で。

物語消失事件。

コツコツと録りためていた映画がごっそりなくなっていたというのは、やはりそれなりにびっくりする事件ではあった。なくなった本数の多さと突然広大になったハードディスクの空き容量に呆気にとられすぎてしまい、意外と凹まなかったのは不幸中の幸いだろう。

問題は、この消失事件の謎が解けていないということで、どこをどう間違えるとこういう事象が起きるのか、いまだにわかっていない。ざっと確認したところ、最近録画した、ウォン・カーウァイの『恋する惑星』は無事だったりするので、映画がすべて消えたわけでもないのである。
見る予定のない番組を何本が録画して、「こういう操作をすると想定外の番組が消えるかも」という実験もしてみたのだが、謎を解明するような結果は出なかった。

僕がパソコンに録画していたテレビ番組の中で、映画がごっそりなくなってしまった(しかしすべての映画ではない)。
……簡潔にまとめればこういうことだ。しかし原因がわからない。そもそも、僕は意外にパソコンの操作を間違えないほうなのである。「やっば! 再生と削除のボタンを間違えて押してしまったナリ!」みたいな原因ならどれだけ気が楽だろう。自分のせいにできないのはなかなかつらいものだ。

直接的な解決策ではないが、とりあえず、「録画したものはすぐ観る」という目標をかかげることにしつつ、この異常事態を静観する構えなのである。