CITRON.

のん気で内気で移り気で。

寝る子は育ちすぎ。

体の不調を解決するために、「たくさん食べてとにかく寝る」という方法を僕は採用している。
これは、我が父とルパン三世が実践していた方法で、体調不良の際に、可能な限り栄養を取り、ひたすら眠るというものだ。体が回復するためには、いつもより多くの栄養が必要だ。だから、可能であれば(胃腸が受け付けてくれるなら)健康な時よりも多くのものを食べる。不調の原因によっては汗をかくことも大事になるので、水分も多めに取る。体を治すという大義名分がなければ、やってること自体は暴飲暴食といっていい。
ただ、「少なくとも栄養的には万全だ」という思い込みは精神面にいい影響を与えているような気はする。病は気から、という言葉もあるくらいなので、気持ちは強く持っていて損はない。
栄養と気持ちを充填させたら、あとは自分の自然治癒能力に期待する。その能力(と書いて「チカラ」と読む)に思う存分真価を発揮してもらうために、極力睡眠を取ることにする。
せっかくの栄養をつまらないことで消費してはもったいない。なるべく体を動かさず、治癒に集中できる状態にする。

栄養は万全、治癒のための時間もたっぷりある。完全回復の日は近い。

……という方法には致命的な問題点がある。
それはつまり、「長期戦になるとけっこー太る」のだ。
ようやく、いよいよ、今度こそ、今回の風邪が終わりそうなのだが、決着がつくまでかなり時間がかかってしまった。
ということはつまりどういうことかというと、かなりまずいことになっているのだ。

これはまずい。
かなりまずい。
輪郭変わったかも。

……という心の声を真摯に受け止め、なんとかスーツを着られる今のウチに、なんとかしなくてはならぬのだ。