CITRON.

のん気で内気で移り気で。

名が体を表しすぎる。

ラングドシャという言葉のことを思うとき、どうしてもお腹の底の方から小さくクスクスと笑いがこみ上げてしまうのである。

らんぐどしゃ。

どうしても積み上げたいものがあるのだけれど、脚立に乗って、最後のひとつを積んだときにぐしゃぐしゃと崩れてしまう。
……どうしてもそういうことを考えてしまうのだ。

加えて、食べたときの食感も「らんぐどしゃ」に近い……というか、少なくとも、僕は近いんじゃないかなあ、と思う。なんて名は体を表しすぎているんだ。とても優秀だと思う。

ラングドシャほどではないが、かりんとうも、名前と食感が近いような気がする。それも、大きく太いやつではなく、小指の先から第2関節くらいまでの長さの細いやつだ。この場合、ひらがな表記よりカタカナ表記のほうが、名前と食感のフィット率がより高い。

カリントウ。

ああ、字を見ただけで口の中が甘くなってきた。