CITRON.

のん気で内気で移り気で。

前提は女の子。

『宇宙(そら)よりも遠い場所』
『たくのみ。』
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
『からかい上手の高木さん』

……というあたりが今月スタートのお薦めアニメらしい。もちろん自称ガチオタ百合属性の娘発信の情報である。一応書いておくと、「自称」と書いてはいるが本人がそういう宣言をしているわけではない。しかし小さな背中が雄弁にそう語っている。
自分が、というより、父が好きそうな、というラインナップらしいのだが、どういう基準でチョイスしているのかよくわからない。各作品の公式サイトを確認してみても、内容的にはバラバラのような気がする。
とはいえ、実は『たくのみ。』と『からかい上手の高木さん』については、原作のマンガを読んでいたことがあり、たしかに両作品ともそれなりに楽しんだ記憶がある。『たくのみ。』は、女の子がお酒を飲む話、『からかい上手の高木さん』は、女の子が男の子をからかう話だ。ちょっとすごいかも、と思うのは、僕がこれらの原作を知っている、ということを娘は知らないはずなのだ。

年末年始にこれといって遠出をする予定がなかったということもあり、ここ数日、かなり娘と話しているような気がする。ヒマだからとはいえ、現役JKが、ずいぶんと遊んでくれるものだ。
まあ、今回の作品の選定については、家庭内でのヲタ活に賛同してくれる者を増やしたいという地道な布教活動の一環でもあるのだろう。とりあえず、女の子が南極を目指す『宇宙よりも遠い場所』は観てみることにしよう。

ところで、この布教活動は時々母親にも行われる。ただ、母親はヲタ活についてわりと厳しい態度を取っているので、布教活動が実を結ぶことはほとんどない。なので、難易度的に「ちょろい、というかちょろ助」(娘談)な僕のほうに布教することが多いのだが、時々、妙なチャレンジャー魂を発動させて、母親に挑むことがあるのである。
ちなみに先日は、
「だまされたと思って1話だけ、いや、オープニングだけでも観てみようよ。とにかく音楽が気に入ると思うんだ。お母さんの好きそうな、ちょっと気取ってるっていうか、無印良品とかで流れてそうなオシャンティなやつ」
……というプレゼンを行い、見事に失敗していた。
おそらく、「オシャンティ」がまずかったものと思われる。娘は、なぜ失敗したのかわからない、という顔をしていたが、このへんが経験の差というものなのだろう。