CITRON.

のん気で内気で移り気で。

ボジョレーを飲みながら。

「車内で暴れているお客様への対応をしておりましたため、到着が遅れましたことをお詫びいたします」

……というアナウンスが流れる夜の通勤電車内。
車内トラブルについて、「暴れている」というような、そういう具体的な言い方をしていたっけ、今まで。
と、倒置法でぼんやり考える。

最近、車内で暴れたり叫んだりしている人を見ることが多くなってきたような気がするのだが、年末が近づいてきているということと関係があったりするのだろうか。

それはそれとして、「暴れているお客様」という言葉はなんとなく不憫だ。
「お客様」という言葉を「暴れている」が台無しにしている。

あと、「暴れているお客様への対応」とは、具体的にはどんなことをするのだろう。
事態をなるべくはやく鎮静化するためには「丁寧に説得する」くらいでは全然スピード感が足りないだろう。
こういうときはやはり、麻酔レーザー銃的なものが使われたりするのだろうか。銃の先端が丸い球状になっていて、撃つとリング型のレーザーが発射されるやつだ。

もしくは、ものすごい美人の女の人に、やさしく微笑まれながら「死ねばいいのに」と静かにささやかれるのもいい。僕ならそれで確実に静かになるだろう(感想には個人差があります)。

……安ワインを飲みながらだと、本当にしょうもないことを嬉々として書くよなあ、と思う夜更けなのであった。