CITRON.

のん気で内気で移り気で。

ホットなドッグのぬくいやつ。

娘の風邪が本格化したので、かわりに犬の散歩をする。
ところで、ウチの犬は、朝晩の散歩中しかトイレをしないというおそるべき体質なのである。
トイレが近いか遠いかと問われれば、うつむきかげんで、下唇をかみつつ、「……ちかいです……とても……」と言わざるを得ない僕としては大変うらやましいところではある(彼女は彼女なりに人間に気を使ってくれているだけなのかもしれないが)。
散歩の時にしか排泄をしないということは、つまり、雨が降ろうがミサイルが飛ぼうが散歩を欠かすわけにはいかないということになる。彼女にとっては朝晩2回しかない放出チャンスなのだ。極力中止にはしなくない。

ということで、肌寒く、かつ、小雨も降る中の散歩となったわけだ。
歩き始めて数分後、無事、排泄は完了した。これを書くことにどれだけの意味があるのかよくわからないが、一応、記しておくと、まず小さいほうがあり、それが終了した後、しばらく歩いた別の場所で大きいほうをする、というのが彼女のやり方だ。
彼女が生み出した作品は、専用の袋で回収する。
今日のような日には、袋ごしに作品が放射する熱がほかほかと伝わってきてけっこう心地いい。排泄物とはいえ、生き物がその体内から生み出したものは温かいのだ。
もっともっと寒くなると、袋に回収した彼女の作品をしばらく手の中に置いておいて暖を取ったりする。ちなみに、袋に収めてしまえばにおいはほとんどない。

犬のウンチで温まるなんて……という意見もあるかもしれないが、そんな声にはクソくらえなのだ。
(今、ちょっとだけ上手いことを言った気分になりたくて、あえて乱暴な言い方をしてみました)