CITRON.

のん気で内気で移り気で。

ある中年サラリーマンは通勤時にだいたいこんなことを考えている。

手元にある清涼飲料水の缶に、「軽く振ってお飲みください。強く振ると中身が飛び出すことがあります」というような注意書きがしてあるのを見て、意外と微妙なコントロールが求められているんだな、と思い知った次第である。

今まで缶飲料から中身が飛び出してきてあたりをびちゃびちゃにしてしまったという経験はないが、軽く振らなくては、と意識しながら缶を振ったこともないような気がする。
ひょっとすると、今までは運がよかっただけなのかもしれない。
幸運に感謝しつつ、今後は気を付けようとは思ったものの、神さまから与えられた運をここで少しづつ消費していたのかもしれないと思うと「神さまったらなんて余計なことをしてくれたんだ」という気持ちにもなる。
飛び出してきた飲み物でびちゃびちゃになることを数回ガマンすることで使わずにすんだ運で、宝くじが一回当たるのであればそちらを選びたいではないか。宝くじがダメならこの際ガチャガチャでもいい。というのも、カリタのコーヒー器具のミニチュアが当たるガチャガチャで、ここ二回ほど負けているのである。ここでいう負けとは、同じミニチュアがダブることだ。「マグカップとコーヒーポットのセット」のミニチュアはとても可愛らしく、思わず写真に撮ってインスタグラムにアップしてしまったくらい気に入ってはいるのだが、2セットはいらないのだ。
このガチャガチャを置いている店は小洒落た雑貨屋で、開封したカプセルの回収カゴ(もしくは箱)もなければ両替機もない。ガチャ・ハンター(今、考えました)にとってはわりと場違い感が強いところといえる。その上、そもそもそういうお店ではないので、ガチャガチャだけやって帰るということに少しばかり勇気が必要になる。
お洒落な雑貨を買うついでに、「へえ、こんなガチャガチャもあるんだ。ガチャガチャなんて子供の頃以来やってないけど、ま、これも何かの縁ということで」などとひとり芝居を演じつつ硬貨を投入するのも本末転倒だし、本当にそんなことをしたらお金がかかってしょうがない。できれば短期決戦でなんとかしたいところだ。

コーヒーといえば。
最近、気付いたのだが、うちの犬はコーヒーのにおいをかぐとかなり高い確率でクシャミをするようだ。
ここはぜひ、豆の種類や価格、コーヒーメーカーを使うか自分でハンド・ドリップするかという製法の違いでパターン分けして、クシャミとの関連を調べてみたいところだ。
起こりうる可能性を網羅して、それについてひとつづつ確認してみたくなるというのはまさに職業病といえる。
とはいえ、その病が仕事中にほとんど発症しないというのが我ながら不思議なところではある。

人間の心と体には、解明されていない謎がまだまだ残されているようだ。

コーヒー器具のガチャガチャなんて、いったい誰がやるんだろう。ニッチにもほどがあるぞ。……などとつぶやきつつ300円を投入。今回の戦利品。#ガチャガチャ 僕より少し若い世代的には #ガチャポン 今風にいうと #カプセルトイ #カリタ の #コーヒー 器具 #nikoand