CITRON.

のん気で内気で移り気で。

平熱通信

私は貝にならざるを得ない。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』を観た。 つまり、これからしばらく、この作品についてのネタバレ発言をぽろりとしてしまわないように、細心の注意を払いつつ生活しなければいけないということだ。 「こういうことがある」と言ってしまうのがネタバレ…

バニー・マン、カミング・スーン。

「僕の病気は治るものではないので、なるべく進行を遅らせる努力をして、大変な病状になる前に僕の寿命が尽きればこちらの勝ち。……最初の主治医の先生は、そんなことを言ってました」 そう僕が言うと、現在の主治医(女医。ちょっと美人)は「そうです。その…

ファン活動は週一回。

何か月か前、突然壊れてしまったコーヒー・メーカーの代わりに、電気ポットを買った。 我が家において、豆から淹れるコーヒーを飲むのは僕だけなので、わざわざコーヒー・メーカーを買いなおすよりも、汎用性の高いポットを導入したほうが便利なのではないか…

ブザー以外は、別に。

これといって何もない日、というものがある。 というか、だいたい毎日がそういう日なのではないだろうか。 何もないといっても、朝は電車に乗って会社に行き、昼は会社で仕事をして、夜に電車に乗って帰宅しているわけで、その間に何もないわけではない。た…

やっかいなシームレス。

どこかで話したこと。話そうと思ってやめたこと。文章に書いたこと。書こうと思ってやめたこと。 ……そういう言葉たちが、自分の頭の中に境目なくたまってきているような気がする。どちらかというとこれは最近の傾向で、以前ならきっちりとパーティションで分…

なんとなく明治派。

アーモンド・チョコレートを食べ終わり、名残惜しさを感じつつ空箱をつぶす時に毎回思うのだが、箱に残った香りはアーモンド・チョコレート本体よりいいような気がする。 「も、もしかすると、箱の内側に、もっといいチョコレートを薄く塗りつけているのでは…

イケブクロ、メジロ、タカダノヴァヴァ。

これは前回の続きでも何でもないのだけれど、たとえば「オーバードライヴ」という言葉のカッコいいところは、やはり「ヴ」なのではないかと思う。「ば」行の文字の多くは、「ヴ」に置き換えるとカッコよさ、おしゃれさが倍増するのはよく知られていることだ…

桃源郷オーバードライヴ。

ちょうど、親指と人差し指で輪っかを作ったくらいのサイズ感で、お風呂にドボンと投入すると炭酸ガスがしゅわしゅわと出てくるタイプの入浴剤が、今、悩みのタネなのである。 今使っているそれ系の入浴剤が、桃の香りのものなのだが、この香りというのが、な…

彼女にはお見通し。

現役女子高生であるところの娘が何が好きか、どういうものを喜ぶのか、そういうことは年々わかりにくくなっていて、それはまあ、そういうものかもしれないなと思うのだ。そもそも性別も違うし、年齢だってうんと違う。親子ほど(いや、実際に親子なのだが)…

今日の彼女のスケジュール。

本剤には、はじめ、点眼口にアナがあいていません。ご使用前に、キャップをねじ込み、アナをあけてください。 ……というのが、今使っている目薬の袋に書いてある説明で、これを読むとやはり思ってしまうのが、「なぜアナが漢字ではないのか」ということなので…

そもそもこの文章がすでに。

よそのフロアで仕事をしている会社の先輩から社内メールが来る。 先週、仕事の都合で出席できなかった忘年会で、けっこう大きな発表があったのである。そういう噂は聞いていて、気にはなっていたのだ。 メールには、その発表されたことの内容と、それについ…

冬の灯台もと暗し。

僕はわりと早起きで、朝というか深夜というか、4時くらいにはとりあえず目を覚ますことにしている。 元々は夜型生活愛好家だったのだが、せまい我が家で、 「あわただしい生活の中で、少しでもいいから、静かに、一人きりで、孤独を楽しむ時間が欲しいぜ」 …

遠目に見ればだいたい同じ。

とある文庫本を読んでいて、僕は、前後の文脈から推測しないと「綱」と「網」を正しく読み分けられないことを確信した。 「綱」が「あみ」。 「網」が「つな」。 あ、間違えた。 「綱」が「つな」。 「網」が「あみ」。 ……書いてて混乱してきた。

シンドイふたたび。

朝、トイレに行きたくて目が覚めたにもかかわらず両足がつっているという状況に、ああやれやれ、しんどいなあ、とフトンの中でため息をつくのであった。 綿密な計画を立てていたわけではないが、なんとなく予定していた外出をするのもやんなったし、昨日、少…

しんどい。

「しんどい」という言葉の意味は、「骨が折れる。つらい。くたびれる」といったあたりになるのだろうが、その語源は「心労」が転じたもの、という説と「辛労」が転じたもの、という説があるらしい。少なくとも、手元にあるふたつの辞書には、それぞれ「心労…

ずびし。

仕事の合間、トイレに行こうとしていた僕は、背後から「ずびし」と背中を突かれたのだ。 その感触から推測すると、僕の背中を突いたのは人差し指2本。「ずびし」というのは動作音ではなく口から発せられた音声だ。 背後から忍び寄り、「ずびし」と言いなが…

ルーズ。

単語の意味としては悪くない内容のものも含まれているのに、やはり「ルーズな人」と言われるとあまりほめられた気はしないような気がする。 ふと自分を点検してみると、全面的にそうなのかどうかは置いておいて、ルーズなところはわりと多めのように思われる…

イスカンダル。

イスカンダルというのは宇宙の彼方にある惑星で、宇宙戦艦ヤマトはそこに何かいいものをもらいに遠路はるばる旅をするのである。 ……というのが僕の『宇宙戦艦ヤマト』観のほとんどすべてと言っていい。あれだけ有名な作品を、あまり観た記憶がないのである。…

月がきれい。

会社からの帰り道、マンションとマンションの間のせまい夜空に、ぺかぺかと光る月が見えた。 そういえば、何日か前にウルトラだかスーパーだかアルティメットだかマーベラスだかデリシャスだか、とにかく大きな月が見えたらしい。 今宵の月は、もう通常サイ…

夢から覚めない。

それにしても、期末試験の当日であるにも関わらずまったく勉強をしておらず、なすすべもなく呆然とするという夢を、いつになったら見なくなるのだろう。 忘れた頃にやって来るこの夢には、いまだに、僕を寝汗でぐしょぐしょにするくらいの心理的インパクトが…

ああ心配で眠れない。

来週、シフト勤務があるようで、そうなると忘年会に出席することができなくなる。 まあ、これはもういわゆるひとつの「作業優先」というやつで、そういうこともある、というところなのだが、問題は時間帯なのだ。 今回のシフト勤務は、おそらく、午後2時く…

極まる月。

月初で、(会社員的なカウント法では)週末。 はじまりなのに、もう終わり。 (だからなんなんだ、という話ですね) いよいよ12月。師走である。またの名を極月ともいうらしい。 極まる月、だ。 「究極」とか「極妻」とか、「極」という漢字はなんともピリピ…

断捨離ドランカー。

去年の夏より、ウィスキーがストレートで飲めるようになった。 特に自慢できるようなことではない。ただ、今までだと濃いやら辛いやら苦いやらでとても飲めなかったものが、「お、これはこれで美味いような気がしないでもない」と思えるようになったというだ…

あこがれるのは全肯定。

今までの人生で一度だけ、「あなたは二枚目だ」というようなことを言われたことがある。ひょっとしたらもう10年以上前のことかもしれない。 そう言った人は僕より年上の男性で、深夜、彼の部屋で山ほどお酒を飲んでいたときのことである。どういう話の流れで…

幸せの青い象。

ここまで見つからないのであれば、新しいおもちゃを買ってやらんとなあ、などと帰宅途中の電車の中で思っていた矢先、娘からのLINEが届いたのであった。 我が愛犬のお気に入りであるところの、青い象の形をしたおもちゃが、とうとう見つかったのだ。 我が愛…

問題の二十日間。

なんと、今週末はもう12月なのである。 来週ははやくも忘年会だ。それも2回もあるのだ。 そういえば、忘年会とは何を忘れるためのものなのか。「年忘れ」という言いまわしもあるが、年を丸々忘れるというのもいささか大ざっぱな把握の仕方のような気がする…

透明なガラクタ、ドアだったなにか。

とうとう4つ目の眼鏡を調達することにした。今回の眼鏡のチューニングは読書仕様だ。なんとなく、もう何をどう工夫しても「よく見えないものはよく見えない」という結果にしかならないような気もするが、病は気からともいうし、ここはプラシーボ効果に期待…

行方不明は青い象。

犬を飼って一番驚いたのは、モノを探すときにかなり視覚に頼っているというところだ。 子供の頃観ていた警察犬が出てくるドラマかなにかの影響なのだろうが、犬は、モノを探すときは嗅覚だけを利用するものだと思っていたのだ。床のにおいをふんふんと嗅ぎ、…

ウォーキング!、シェービング!!、アメージング!!!

朝、会社近くの公園で、シェーバーでヒゲを剃りながら歩いている人を発見してしまった。スーツ姿で、僕から見たら若い人に見える。左手にバッグ、右手にシェーバーである。歩きながら、鼻の下あたりにシェーバーを押し当てている。 大昔、ガラガラに空いた下…

中途半端につながりたい。

父親のスマートフォンの調子が悪いらしい。 いや、正確に言えば機械の調子はいいらしい。壊れたので修理に出し、それが戻ってきたところなのだ。調子が悪いのはいくつかのアプリのほうで、故障前に使っていたときより不便になっている、とのことだ。 電話や…