CITRON.

のん気で内気で移り気で。

平熱通信

致死量は10センチ。

10センチ、という長さを具体的にイメージするために、ものさしを取り出して見つめてみる。 想像通り、たいした長さではない。 その長さは、だいたい、10センチくらいだろうか(すみません)。 今朝からこの10センチという長さがある種のキーワードになってお…

グッドバイからはじめよう。

とある女性アイドル・グループからメンバーが一人卒業することになり、卒業前最後のコンサートがインターネット中継された。 卒業するメンバーを応援していた娘は、当然のようにこのコンサートのチケットを買うための抽選へのチャレンジを行い、残念ながら落…

非合法食品TKWB。

大きめの鍋におでんの汁を大量に作り、ちくわぶを煮る。だいたい20分くらい。 ちなみにウチの近所のスーパーマーケットで売っているちくわぶは、一本20センチくらいあるのだが、それをそのまま切らずに煮る。なので、大きめの鍋が必要になる。 煮始めて17分…

ある意味それは魔法の言葉。

その言葉を口にするたび、なにやら口の中がモヤモヤとしたような、何か、取るに取れない異物が残ったような、そういう気持ちになるのである。それは、ゆで卵のカラをむいていて、薄皮がどうしても取れない時の気持ちに似ているかもしれない。 ちなみにそれは…

汚染地域は口内に。

会社を半休して歯医者に行った。 ……のだが、自分の病気と使っている目薬の説明をしているうちに、「眼科の主治医の許可をもらってからではないと治療はちょっと……」という話になり、「今日はざっくりとクリーニングだけしておきましょうか」ということになっ…

絶望となかよく。

正確に記せば、「ごごり」というような音が口の中でしたのである。 ちなみに、その時僕は、ガムを噛みながら仕事をしていたのだ。 それは、頭蓋骨に直接響くような低音で、なんというかこう、絶望、という言葉がふさわしいような恐ろしさに満ちていた。 口の…

それじゃあ、また、そのうちね。

僕にとって現存する最古の友人の誕生日が今日なのである。 「現存する最古の」などというと大げさだが、今に至るまで連絡を取り合う友人としては一番長いつき合いになる。ふと数えてみるとなんと30年以上にもなる。このクラスのつき合いの長さの友人というこ…

(少なくとも)私のへそは動かない。

へそを曲げている最中にふと思ったのだが、へそという、曲がらないというより、曲がった状態の想像をすることすら難しい個所を、曲げる、という表現を考え出した人は大変な想像力の持ち主なのではないだろうか。 その点、「ひざを打つ」はわかりやすい。「目…

身の丈に合わない言葉たち。

1月14日は「愛と希望と勇気の日」なのだそうだ。 南極でタロとジロが発見された日、らしいのだが、「愛」とか「希望」とか「勇気」とかいうような言葉が三つも入っていると「もうこれ以上食べられません」というような気分になる。 どれもあまり縁がない言葉…

無味を選ぶ気分について。

我が家にはお酒を割る用の缶入り炭酸水がわりといつも常備してあるのだが、時と場合と気分によってはその炭酸水をそのままちびちび飲んだりする。 炭酸水を飲んでいるとつい思い出してしまうのが会社のある先輩のことで、その先輩は、僕がコンビニで買った炭…

大人とはなんだ。

会社の帰りに本屋に立ち寄ってマンガを買う。 そしてふと、「父はこの歳になってマンガを買ったりしていたのだろうか」というようなことを思う。 今、JRが行っている「機動戦士ガンダム・スタンプラリー」がちょっと気になっている冬の夜。 ちなみに一番グレ…

感想には個人差があります。

サモエドという言葉を聞くと、どうしても「そういう犬種がある」という知識よりも先に「何かの略称だったっけ?」という疑問のようなものが頭に浮かんできてしまう。 つまりそれは、サモエドという言葉が僕の頭の中で「犬種っぽくない」と認識されているから…

あくまで小規模な困惑。

電車の座席の上部にある棚のことをなんと呼べばいいのだろう。それについて書く必要があれば「荷物棚」と書いてしまうのだが気持ちの中ではつい「網棚」と言ってしまうのだ。 少なくとも僕が日頃使う電車で文字通りの「網棚」を見ることはない。いくら親しみ…

タイマー起動のサプライズ。

毎朝乗る電車でよく一緒になるサラリーマン風の人がいて、年齢的にはおじいさん一歩手前という雰囲気なのだが、電車に乗り込むたびにカバンを座席上部の荷物棚にぶん投げるのである。投げ込んだカバンはけっこうな音を立てて、ななめに棚に収まる。 毎朝のこ…

思い過ごしは犬も食わない。

ふと思うと本にしろ映像作品にしろ、「八犬伝」の物語を最初から最後まで体験するのは今回がはじめてなのである。 初心者中の初心者、ビギナー中のビギナーなのだ。 そういう意味でひたすら新鮮な気持ちで読み進めているのだが、これがやたらと面白い。デタ…

犬*。

あいかわらず借りた本を読んでいる。 この作品は、いわゆる「八犬伝」を翻案した物語と、その作者の滝沢馬琴についての物語が交互に語られるという、少し変わった構成になっている。 物語に入り込むにつれだんだん面白くなっていくのだが、「八犬伝」だけに…

それは意外と近所の話。

昨年末に上司から借りた本をまだ1ページも読んでいないのである。上下2冊、ハードカバーの時代小説だ。自己啓発本の類ではなくてよかった。相性の問題か根性の問題か、その手の本をうまく読むのが苦手なのだ。 僕は本を読むのがあまり速くないので、この三…

イマココ。

あの日、 「スーツの上着の下に、カーディガンやセーターを着込むことはありますか?」 ……と、聞かれたので、そういうことはあまりない、と答えたのだ。すると店員さんは、僕が着ているサンプルの上着の内側に両手を入れてきた。その手は左右から僕の腰を沿…

年頭の大事なことなので。

いつもと同じような時刻に目を覚まし、いつもと同じような時刻にヒゲを剃り、いつもと同じような時刻にスーツを着ているつもりなのだが、なぜかいつもと同じような時刻に出発はできず、いつもと同じ電車に乗ることができなかった。つまりは各動作がのろのろ…

前提は女の子。

『宇宙(そら)よりも遠い場所』 『たくのみ。』 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』 『からかい上手の高木さん』 ……というあたりが今月スタートのお薦めアニメらしい。もちろん自称ガチオタ百合属性の娘発信の情報である。一応書いておくと、「自称」と…

1月2日の二日酔い。

西東京の実家に年始の挨拶に行く。 東京といっても市外局番は03じゃないし、電車のドアはボタンを押して自分で開ける。23区より確実に一段階は寒い。 その寒さのせいかどうかわからないが、実家に向かう電車の中で謎の腰痛に襲われ、実家に到着後はじめて口…

平熱通信。

早朝にもそもそと起きだして、昨日、近所のTSUTAYAで借りたDVDを観る。 録画したまま観ていない映画が山ほどあるのだから、まずはそちらを消化するのがまっとうな大人というものなのだろうが、「なんとなく、正月っぽいものを」という気分になり、ついつい借…

平熱通信。

「あの、クッタというカップ麺を食べると、本当に「食ったあ」と言いたくなるのだろうか。気になって仕方がないのだが」 ……突然、娘がそんなようなことを言い出した。ちなみに昨日の夜、特に脈絡もなく、である。 そんなわけで、今日は朝の7時からコンビニ…

徐々に教えてホロスコープ。

朝、ぼんやりとテレビを観ていたときのことである。 たまたまチャンネルをあわせた二つの番組で、星占いのコーナーの結果がほとんど同じだったのだ。それがわかったときはかなり驚いたものの、ふと思うと、占っている星座が同じであれば、結果が同じになるほ…

現状再確認。

とにかく何かを整理するという才能がない。 この荒れ地をなんとか開拓し、文化的な生活ができるようにしたいとは常々思っているのだが、なかなか上手くいかない。 ここからは様々な物が発掘される。 それらの中にはゴミもあればちょっとした掘り出し物もある…

おさまらないまま次号につづく。

今日で一応、仕事納めということになるのだが、実質的にキリよく納まったのかというとなかなか微妙なところだ。これはできれば避けたい事態であった。6日間の年末年始休暇をはさんだ来年、去年の仕事の進捗状況についてしっかりと思い出せる自信がない。そ…

「27」。

明け方、足がつって目が覚める。 まずは左足、続いて右足が徐々に、じわじわと、しかし着実につっていき、僕としては確定された未来としての痛みをただ待つしかない。足がつることで腹立たしいことは、痛みそのものよりもこの「なすすべがない」感じなのであ…

間接的親孝行。

「お待たせしました」 ……から始まる開会宣言とともに、ようやくクリスマス・プレゼントを要求された。それほど心待ちにしていたわけでもないのだが、まあ、片付いた感はある。 面白いといってはいけないのかもしれないが、娘は親にあまり高額なプレゼントを…

クリスマスとはなんだ。

「たいへん申し訳ありませんが、今しばらくお時間をいただきたい所存です」 昨日のケーキの残りを食べながら、娘はそう言うのであった。 殊勝なセリフのわりには、あまり申し訳なさそうな顔はしていない。 どうでもいいが、明日欲しいものが決まったとして、…

前代未聞のクリスマス・イブ。

「えー、残念ながら、今日のこの日まで、欲しいプレゼントを絞り込むことができませんでした。よって明日は、クリスマスのお祝いというよりは、ケーキを食べる日、ということにしたいと思います」 ……昨夜そういうアナウンスがあり、今日は「ケーキを食う日」…