CITRON.

のん気で内気で移り気で。

デイドリーム・ビリーバー。

目を覚ました瞬間、今日が何曜日なのか判断できなかった。
ぼんやりとした頭でしばらく考えて、出した結論が日曜日で、「はてさて今日はどう過ごしたものか」などと思いつつ携帯を手に取り、一日の開始時点でいきなり現実の厳しさを突き付けられてしまった。
まさか火曜日だったとは。

今までも、「金曜日だと思っていたら実は木曜日だった」というような、来るべき週末に向けての誤差を出してしまったことはあるのだが、今回みたいなケースははじめてのような気がする。
週の先頭方面にある火曜日時点で、日曜日と勘違いしていたというのは、未来方向に勘違いしていたとするとなかなかの距離感である。もしかすると、僕の思考回路は「来るべき未来」としての日曜日というより、「過ぎ去った過去」としての日曜日にしがみついているのかもしれない。
僕の無意識は、時間を先に勧めたくないと思っているのだろうか。
思い当たることがあるような気もするし、ないような気もする。どちらにしても起きぬけの頭で考えるには難易度が高すぎる問題だ。

電気ポットでお湯をわかし、その間にコーヒー豆をひく。
会社用の水筒に湯を入れて温めつつ、コーヒーを淹れる。
いつも通りの、いつもの動作だ。
コーヒーができあがったところで、水筒にそれを注ぐ。
事件はここで起きた。
ここで僕は、大きな過ちを犯してしまったのだ。

【誤】
コーヒーができあがったところで、水筒にそれを注ぐ。

【正】
コーヒーができあがったところで、水筒にそれを注ぐ。ただし、水筒を温めるために入れていたお湯を捨ててから。

僕が今日、仕事の合間に飲むコーヒーは、「これでもかというくらいのアメリカン」に宿命づけられてしまった。

何回締め直してもネクタイのバランスはおかしいし、今朝はどうにも頭がうまく働かないようだ。なんというか、はやくも「詰んだ」感が漂ってきた。
気温や気圧の高低差が激しいと体調に悪い影響を及ぼすことがあるらしい。今朝起きた一連の脳の誤動作は、そういう類のものなのだろうか。
いっそがんがんと暑い夏になってしまえばいいということか。未来が待ち遠しいんだかそうでもないんだか、よくわからなくなってきた。