CITRON.

のん気で内気で移り気で。

明日晴れたら。

最近どうも目がぴりぴりする。
「週末老眼」という言葉があるくらいで、金曜あたりは目がしょぼしょぼしているのがデフォルトなのだが、ここのところ何曜日であろうがしょぼ度が高い。その上ぴりぴりがプラスだ。
毎日複数の目薬を使っていて、それなりに強い成分が含まれているので、僕の目玉の表面は、例えるならば常に肌荒れのような状態になっている。そのせいで、何かのきっかけに反応して「ぴりぴり」のような違和感を感じることがあるのかもしれない。もちろんこれは予測でしかないのだが、昔むかし、最初の主治医と、自分の病気についてあまり調べないという約束をしているので、予測のまま放置しておくことにする。

しょぼしょぼぴりぴり状態で何が困るって、いつも以上にものがよく見えないのである。特に右目が壊滅的で、たとえば紙いっぱいに印刷されている文字の中の何ヵ所かはつぶれて見えないし、時には字が書いてあることすらわからなかったりする。それすなわち僕の病気の特徴でもあるのだが、「しょぼぴり」状態ではこれが一段階ひどくなるのだ。僕は虫食い算をやりたいわけでもクロスワードパズルをやりたいわけでもないので、これはなかなか困った事態といっていい(とはいえクロスワードパズル自体はけっこう好きだ)。
その点、左目はかなり健闘していて、「すごいぞ左目」、「いけいけ左目」と、その奮闘ぶりをおおいに称えたいところだ。ただ、右目で見た映像と左目で見た映像が脳で合成されて視界が作られるわけで、どんなに左目ががんばったところで右目が壊滅的なら合成された視界は結局残念なものになる。こういう考え方は間違っているのかもしれないが、それならこの際右目は見えなくなってもいいのかもしれないと思わなくもない。ジオン公国のモビルスーツだって、『モンスターズ・インク』のマイクだって、単眼で立派にやっているじゃないか。

「しょぼぴり」状態で本当に困るのが、ふとしたスキを突いて気持ちがさみしくなったり機嫌が悪くなったりするのである。情緒を安定したレベルで保つのが難しいときもたまにあって、それが表に出ていないかどきどきしたりする。
あまりにも気分に闇成分が増えてしまった場合、駅のホームで突然「きーーーーーー」などと叫んだり、道行く人に悪態をつきまくってみたり、盗んだバイクで走りだしたりしたら気持ちが楽になったりするのだろうか、というようなことを考えてみたりするのだが、そんなこと 、良くも悪くもこの僕にできるわけがない(こちとらどんだけ気が小さいと思っているんだ)。かろうじてインターネットにダークなツイートをするくらいのことはできるかもしれないが、文面を考えるのにとても時間がかかりそうで、新たなストレスが溜まりそうな気がする。

とにもかくにも、よく頑張っている左目にはごほうびを、くたびれている右目には栄養を、ということでこの週末はなにか善きものを見ておきたいところだ。都合のいいことに明日は夏のような暑さらしい。街を歩く女の子たちが、全員ミニスカートを着用したりしないだろうか。