CITRON.

のん気で内気で移り気で。

Good Morning World.

零時近辺にベッドに入り、いわゆる丑三つ時に目が覚めて、それ以降なんとなく眠れない。最近こういうことが多い。
「なんつーの? オレくらい繊細な人間になるとさ、ちょっとした心の揺れで眠れなくなることがあるんだよね。これって、鋭敏な神経を持つ人間の宿命?」
などと思い込もうとしていたのだが、そういえば両親がよく言っている、
「寝るのも体力。トシをとると体力が落ちて長く寝られなくなる」
という言葉を思い出し、こっちのほうか!と思い始めてたりしている。
幸い今日は本を読む気力はあったので、手もとにある本を何冊かつまみ読みをする。ある本に書いてあった、
「最近、何か言おうとしても見当違いな言葉しか浮かんでこない。それを訂正しようとすると、より混乱してさらに見当違いになり、そうすると最初に自分が何を言おうとしていたのかわからなくなる」
という言葉がやけに刺さりやがる。こういう思いは、大人になれば解消するものだとばかり思っていた。
最近、仕事中に人と話すことが多くなったからか、そういうことをよく思う。僕の言葉は多すぎる、もしくは、少なすぎる。誠実に話そうと思えば思うほどそうなってしまう。

足元では犬が寝息をたてている。仰向けになって眠っているから、今日は気温が高くなるのだろう。窓からは朝焼けが見える。朝焼けは相変わらずきれいで、犬は当然のようにかわいい。まさにいつもと同じような朝だ。

いつも通りの世界の中で、僕のコンディションだけがいつも通りではないわけだ。それはそれで悪いことではなくて、僕がいつも通りで世界がそうではないというほうが、いろいろと面倒なことになるだろう。
まぶたに黒目を書き込むためのマッキーをカバンに入れて、そろそろ出社しなければ。