CITRON.

のん気で内気で移り気で。

いつだって本末転倒。

木琴という言葉を発音した時の「もっきん」という響きがなんだか可愛らしいということに気付いてしまった。小学生の頃、それなりに身近な楽器であったはずなのだが、その頃はまったく気付けなかったのだ。僕は不器用な子供だったので、音楽の授業に登場する木琴は悪魔の楽器そのものだった。だから、極力視界に入れないように、近寄らないようにしていたのだろう。

「もっきん」の響きの可愛らしさは相当なものだが、木琴を英訳した「しろふぉん」もかなりキュートだ。その上、アルファベット表記すると、
「xylophone」
……と、いきなりカッコよくなってしまう。単語の最初に「x」と「y」が並んでいるという、ささやかなレアっぽさもいい。なんというか、一気に舞台が未来になってしまうようなシャープな並びである。
単に楽器の名前をあらわす言葉であるにもかかわらず、その印象が可愛らしくもカッコよくもなるというフトコロの広さに、たいへん感心した次第である。

その上、これを複数形にしてグループ名のようにしてみるとどうなるか。
複数形であることを示す「s」をあえてカジュアルに誤記して「z」にすると、
「xylophonez」
……になり、なんと、ひとつの単語の中に、「x」も「y」も「z」も入っている。ものすごくたくさんの人に「だからなんなんだよ」と言われそうな気がするが、これを書いている今、個人的にはけっこうわくわくしている。

発音は「しろふぉんず」でスペルは「xylophonez」。なんだかとても素敵なグループ名を思いついてしまった。
いったいこれが何をするグループなのか、まったくアイデアはないのだが、それがなんだというのだ。
今日から僕はxylophonez所属ということにしよう。機会があれば、

ミド(xylophonez所属)

みたいなことを書いてみたいような気もする。コレが何をするグループなのかさっぱりわからないが、この言葉の魅力の前にはまったく問題にならないといっていい。