本剤には、はじめ、点眼口にアナがあいていません。ご使用前に、キャップをねじ込み、アナをあけてください。
……というのが、今使っている目薬の袋に書いてある説明で、これを読むとやはり思ってしまうのが、「なぜアナが漢字ではないのか」ということなのである。
老若男女すべての患者さんが誤読しないように、読むのが難しい漢字を使わない、という配慮かもしれないが、「剤」とか「眼」とか、画数的にはもっと強敵そうな漢字がそのまま書いてあったりする。こういった説明に使う言葉についての「漢字ひらがなカタカナ問題」は、想像以上に複雑なのかもしれない。
それにしても、「アナをあけてください」などと書かれていると、つい、「アナという外国の女性のスケジュールを調整しようとしている人」を想像してしまうのは僕だけだろうか。
「ええ。さきほども言いましたように、今日はアナに予定を入れないでくださいな。彼女には大事な役目があるの。だから今日は、アナをあけてください」