CITRON.

のん気で内気で移り気で。

そもそもこの文章がすでに。

よそのフロアで仕事をしている会社の先輩から社内メールが来る。
先週、仕事の都合で出席できなかった忘年会で、けっこう大きな発表があったのである。そういう噂は聞いていて、気にはなっていたのだ。
メールには、その発表されたことの内容と、それについての先輩の所見が書いてあり、最後に、「たぶん、君にはどこからも情報が来てないと思ったので連絡しておきます」というようなことが書いてあった。こちらが孤島で仕事をしているかのような扱いに異議を唱えたい気持ちにはなったのだが、今回に関しては先輩のいうとおりではある。

さっそくお礼のメールをしようと思ったのだが、こういう時につい「なんか面白い事が書けないかな」と思ってしまい、なんだかんだと無駄なことを書き連ねて「つまり何が言いたいのか」というところがぼやけた上にそれほど面白い事も書けていなかったりする。だいたい、面白い事なんてそうそう簡単に思いつけるものではないのである。それがわかっているなら無謀なチャレンジをしなければよさそうなものなのだが、なんというか、「わざわざ時間を割いてメールを書いてくれたんだから些少ではありますがお土産を持って帰っていただきたい」という妙な気持ちになってしまうのだ。これはサービス精神というようなものではなくまったく僕の好みの問題である。あの人、どんなこと言ったら笑うだろ、などと思うのは地味に楽しい。

それと関連しているのかどうかわからないが、短く簡潔に要領よく、というような、ビジネス・メールがいつまでたっても上手くならないのである。そういえば、僕がLINEに書くメッセージはやたらと縦に長く、直立した「いったんもめん」のようだ。

あれ、「ぬりかべ」のほうが近いかな。

正真正銘、どうでもいい話ではある。