CITRON.

のん気で内気で移り気で。

ルーズ。

単語の意味としては悪くない内容のものも含まれているのに、やはり「ルーズな人」と言われるとあまりほめられた気はしないような気がする。

ふと自分を点検してみると、全面的にそうなのかどうかは置いておいて、ルーズなところはわりと多めのように思われる。

全3巻セットで持っているはずの本の2巻以外を紛失していたり、その1巻と3巻を探している過程で違う作品の文庫本が2冊出てきたりすると、さすがにこれはちょっとまずいのではないか、と思わずにはいられない。

その上、ベッドサイドのちょっとしたすき間から、いつか読んでみたいと思っていた小説が5、6冊出てきたりして、それを見て「なかなかいいセンスしてんじゃねえか、こりゃ掘り出し物だ」などとつぶやくに至っては、僕の中の何かが致命的に壊れているような気さえする。昔、自分で買った本がまとめて発掘されただけの話で、自分の好みで選んで買っている本だけに、自分のセンスとぴったりあうのは当たり前だ。それを買ったことをすっきりと忘れている時点で、喜んでいる場合ではないのである。

でも、こういう再会が妙にうれしいもの事実ではあって、ただ内容があまりにも「難あり」なので、共感を得られそうにないのがちょっと残念ではある。