月曜日に傘が壊れ、火曜日にズボンのファスナーが壊れ、じゃあ今度は何が壊れるんだ、と、びくびく過ごしていた水曜日。
木曜日になった今、なるべく冷静に、なるべく詳細に、昨日の出来事を思い返してみても特に壊れたものはなかったように思われる。少し目線を変えて考えてみても、家族はちゃんといるし犬だって元気だ。
「この時、僕はまだ気づいていなかったんだ。
壊れていたのが……僕自身だったということを」
というような新たな展開がない限り、破壊の連鎖は止まったと思っていいかもしれない。
それにしても、なにかあるとつい、
「この時……」
みたいなしょうもないフレーズを考えてしまうのは本当に悪いクセで、たいして目新しいものが出てくるわけでもないのに飽きることがない(下手したら仕事中でもやっているのだ)。いい大人がこんなことをしている時点でどこか壊れているのかもしれないが、それは今に始まったことではないので、今回の「壊れたものカウント」の対象外とする。