朝からそれなりの量で雨が降るような日は、眠くて仕方がない。
半日ほどトロトロと過ごし、夕方、投票に行く。
僕は、あの投票用紙が好きなのだ。
あの、つるんつるんとした紙に、備え付けの鉛筆でさらさらと字を書き込み、半分に折る。腰が強い紙なので「折った」感が強く、ほんのちょっぴりだけど達成感を得ることができる。
「ああ、書いた書いた、折った折った」などと思いながら、投票箱に一票を投じる。投票箱に入れる瞬間まで手の中で開こうとするじゃじゃ馬を「いけないお嬢さんだ」などとたしなめながら、その腰の強さに感心したりする。
帰宅したあと、宝くじの当選結果を見るような気分で、テレビの速報を観る。もちろん片手にはビールだ。
不真面目っちゃ不真面目なのかもしれないが、あの投票用紙に触るために投票所に行くというのはまんざら冗談でもなく、とはいえどうせなら投票は冗談でやらないほうがいいような気がするので、一応、選挙公報くらいには目を通す。
各候補者の公約で使われている言葉の選び方や使い方や改行のタイミングや使っているフォントあたりからその人物像を推測して、自分の一票を決めるのだ。
ちなみに、僕が投票した人が当選することはあまりない。
