CITRON.

のん気で内気で移り気で。

かさねがさね、かみさま。

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かみさま。

この間、小さなお願いをさせていただいた、小さな国に住む小さな人間です。

かみさま。
ありがとうございました。
かみさまのおかげで、週末、僕は雨に降られることなく、2日連続ライブを楽しむことができました。両日ともに、まさに夏、という日になりました。

かみさま。
本当にありがとうございます。

ただ。
天気の心配をすることなくライブを観ることができただけで、それだけで幸せではあったのですが、ただ、ひとことだけ聞いていただきたいことがあるのです。

やや暑すぎました。

雨が降らなかったのだからそれくらいガマンしろ、と言われれば、「まったくその通りでございます」としかいいようのないことではあるのですが、我ら小さな人間に、あれは暑すぎなのではないかと思うのです。

特に日曜の夏フェスです。
昼過ぎから19時くらいまで開催されていたのですが、13時台のしっかりした記憶がありません。覚えているのは、「内臓が煮えているのでは」というくらい体が熱くなり、用意した1.5リットルの水と、塩分補給用のタブレットを交互に口に運びながら「大丈夫大丈夫これだけ対策しているんだから大丈夫」と念仏のようにつぶやいていたことと、首すじや二の腕が(幻聴だとは思うのですが)ジリジリと音を立てて焼けていったことくらいです。
久々に頭がクラクラしました。
「ここは一旦、座ったほうがいい」というような予防措置もとりました。
それくらい、とても暑かったのです。

とはいえ。
この試練は、僕が暑さ対策を怠った結果でもあります。
そして、「では涼しい夏フェスならばいいのか」と問われればそれも違うだろうという気もします。
ですから、上に書いたことはかみさまへの苦言でもなんでもなく、単なる報告のようなものなのです。

実は。
今日、かみさまにお願いしたいことは、ほかにあります。
我が愛犬のことなのです。
立っている僕をみつけては尻尾を振りながら飛びついてくるし、寝ている僕をみつけては、その小さな両手で僕の腕を押さえ、ざーりざりとなめてくるような可愛いやつなのですが、今、二の腕をざーりざりされるのは、とてもまずいのです。
僕は黒色方向に日焼けをしにくい体質らしく、ただただ赤くなります。皮膚は熱を持ち、触るとチリチリと小さな痛みが走ります。熱いものに触れても痛いので、通常の温度の風呂には入れません。
寝返りを打つだけで「あたたたたたたた」とケンシロウのごとく叫んでいるような夜、それも寝ている時にいきなりざーりざりされた時、僕は知りました。
声なき叫びというのは、決してレトリックではなく、本当に起こる現象だということを。
飛び起きた拍子に逆の腕をシーツにこすってしまい、涙を流しながら新たな声なき叫びをあげつつ犬は優しくなでてやる(犬に悪気はないので)という状況は、事情を知らない人には相当に奇々怪々なものに見えるでしょう。

「救急車を呼んだ方がいいのかも」
……とすら思われるかもしれません。

ですからかみさまにお願いがあるのです。
我が愛犬の、僕に対する愛情を、しばらく減らして欲しいのです。
基本、飼い主をガン無視して、夜はひとりで別のところで寝るような、そういう犬にして欲しいのです。
ただ、期間限定でお願いします。僕の皮膚の赤みが消え、痛みがなくなるくらいまでの期間だけでけっこうです。なぜって、そういう期間があまりにも長いと、僕がさみしくなりそうなので。

かみさま、この小さき人間の小さなお願いを、ぜひお聞き入れ……

え?

わがままですか?