CITRON.

のん気で内気で移り気で。

価値のある金曜日のおでんと猫の運命。

いよいよ「プレミアム・フライデー」が今週末からはじまるらしい。

「月末金曜は、少し早めに仕事を終えて、ちょっと豊かな週末を楽しみませんか?」(公式サイトより)という日のことらしい。それが豊かなものになろうがなるまいが、休める時間が長くなるのは大歓迎なのだが、周囲の様子を見てみても、

「プレミアム・フライデーてw」

という雰囲気が漂っているので、残念ながら、僕がプレミアムなフライデーを手に入れる可能性はかなり低いと思われる。語尾に「w」が付いてしまってはもうおしまいだ。

ところで、近所のコンビニに貼ってあったポスターによると、そのお店では、プレミアム・フライデーということで(ということで?)、おでんが安くなるそうだ。
どうしてフライデーがプレミアムになるとおでんが安くなるのか、そのつながりの意味がちょっとわからない。「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがあって、これはつまり「一見関係のないもの(「風が吹くこと」と「桶屋が儲かること」)でも、どこかでつながっていることがある」というような意味だと思うのだが、今回の場合、「フライデー」と「おでん」はどこでつながってくるのだろう。
まあ、お給料以外のお金はだいたい安いほうが良いとされているので、何かが安く買えるというのならあまり深く考えなくてもいいような気はする。おそらく「週末、時間ができたんだろ?おでん安くしてやるから、自宅でビールでも飲みなよ」というくらいの意味なのだろう。
ただ、それはそれとして、「プレミアムなフライデーを楽しめるなんて、大企業所属のリア充社員だけなんだろうな」という根拠のない思い込みが頭のどこかにこびりついている僕としては、そういう方たちがおでんが数十円安くなったくらいで喜んだりするものなのだろうか、などとつい思ったりもする。断っておくがここらへん数行に書いたことについてはまったく根拠がない。正真正銘、単なる思い込みだ。でも、なんとなく、「プレミアム・フライデー賛同企業」っていうと大企業かオシャレ企業のような気がしないだろうか?(……あれ、しない? そりゃどうもすみませんでした)

とはいえ、おでんが安くなったと言われれば、「久しぶりにちくわぶでも買って帰ろうかな」という気にはなるかもしれない。「安く買えた分の数十円で、いつもの発泡酒じゃなくって、思い切ってプレミアム・モルツにしちゃおうかな。プレミアム・フライデーだけに(笑)」という人もいるかもしれない。それはそれで良いことだとは思うが、「数十円」だの「発泡酒」だの、自分の発想する言葉のプレミアム感のなさにはあきれるばかりだ。

ところで、「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざの語源には猫が登場するところがある。そこに登場する猫たちは、ある理由によって乱獲されて数が減少してしまい、それが原因でネズミが異常増殖してしまう。ここだけ抜き出すとなにやら世紀末SF的な雰囲気が漂うが、どうしてこんなことをわざわざ書いたかというと、今日が猫の日だからだ。
猫の日だからといって無理矢理猫の話題をぶっ込むことはなかったかもしれない。
今、わりと後悔している。